アボカド栽培のポイント

アボカド栽培のポイント


【アボカドの主な生育過程と作業(本州における目安)】



【苗木ができるまで(一例)】


通常、実生の樹を育ててから接ぎ木をします。

【実生樹の育成】

市場によく出回っている「ハス」は耐寒性が低いため、「ベーコン」、「ズタノ」、「フェルテ」等を使用します。

播種の適期は10~11月頃。種皮を取り除き、種の頂部と底部をカットし播種します。

接ぎ木の適期は1~2月頃。通常、割り接ぎをします。穂木と台木は形成層が合わさるように接ぎ木します。一般の接ぎ木と同じ考え方です。

発芽から約2ヶ月で新梢が硬化したら鉢上げをします。



【栽培のポイント(一例)】


【根域】

根域は地表から60センチ以内が理想です。アボカドの根は主根が数本に分かれて横方向に伸び、そこから側根が発生します。

【有機物マルチ】

表層土壌にやや太めの白い細根が生育している状態が理想的。落ち葉や敷き草などの有機マルチで土壌を覆うことが重要です。アボカドは成木になるころ自分の落ち葉で有機物のマルチを形成します。ただし幼木期は敷き草などをすることが樹の育成にはとても大切です。

【乾燥対策】
根が酸素を必要とするため、排水性の良い土壌が適しています。高温乾燥時に落葉するほど乾燥ストレスにあうと恢復困難に陥るため、かん水が収量アップのポイントになるといわれています。

【その他】

夏季の土壌乾燥で樹が衰弱しやすいため、灌水できる場所が望ましいとされています。また、台風の強風による果実の落下、あるいは樹の倒伏被害を受けやすいため、低樹高整枝が大切です。

【春枝の管理】

開花期の5~6月に花房の中心から春枝といわれる新梢が発生しますが、その新梢につく葉が果実の生産に重要だといわれます。

【夏枝の管理】

7月中旬以降に、果実のなっていない春枝の先端部から新梢が発生しますが、これを夏枝といいます。

【アボカドの栽培管理】

アボカドは常緑樹で、その栽培管理はカンキツとほぼ同じと考えられます。たとえば、アボカドにも早生と晩生があり晩生の品種は樹上で越冬し翌年の春に収穫を迎えます。

【落葉について】

アボカドの葉の寿命はとても短く10~12ヶ月といわれています。また、冬の低温によって夏に発生した葉が落ちるため、さらに短くなる場合もあります。


【アボカド栽培を成功に導く秘訣】

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【くすりになる果物】

アボカドは「森のバター」といわれるほど資質が豊富で、全体の20%を占めています。植物性のため、血中コレステロールを増やす心配もなく、動脈硬化を気にする人にも1個くらいなら安心して食べられるそうです。

脂肪の20%はリノール酸、オレイン酸、パルミチン酸などの不飽和脂肪酸なので、老化防止に役立つくらいとのことです。アボカド1個で鉄を0.7ミリ、カリウムを720ミリグラムも摂取できるといわれています。

食物繊維も豊富に含まれていて、便秘、貧血、動脈硬化、糖尿病などにも効果があるとのことです。ビタミンとミネラルのバランスがよく、高エネルギーだからスタミナ食としても人気があります。

アボカドの植物性タンパク質には体内で合成できない必須アミノ酸のうち、トリプトファンやリジンが豊富です。トリプトファンには神経伝達物質のセロトニンをつくり、不安や緊張を緩和する働きがあり、リジンには成長を促す作用があるとのことです。

またカリウムには利尿と降圧の働きがあり、体の熱をさまし、高血圧でのぼせ気味の人には都合がよいそうです。